カボクロやインジオはハンモックで生まれ、ハンモックで死ぬ。ハンモックはインジオが発明した道具の中でのケッサクだ。 ブラジル語ではRedeで、網の意だが、これを日本式にレージと発音してもまず絶対に通用しない、ヘージまたはヘジといわないとわからない。 このハンモックは使い慣れると実に快適で、その上用途が広く、こんな便利なものはない。
ブラジルという国名の起こりが、赤色染料をとるパウ・ブラジル(ブラジルの木)から来ていることは良く知られている。 ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス等が争って海外の植民地を求めたのは、当時ヨーロッパでは貴重品の染料、香料、香辛料、生薬を獲得するのが目的でもあった。 パウ・ブラジルは、アマゾン河口から、マラニオン、セアラーの海岸地方の山地に生えていた木で、昔はかなりあってインジオが布の染色に用いていたが.
アマゾンの交通手段は舟である。道路がないから、車による交通は発達していない。 テコテコと呼ばれるエアー・タクシーはかなり発達しており、小さな飛行場が各地に作られているが、何と云っても飛行機は高くつくから、一般のカボクロが利用できるようなものではない。 舟にはいろんな種類がある。大は一万トン級の豪華船から小は一人のりのカヌー迄、千差万別。
アマゾンのゴム景気はなやかし時代、ゴムや労働者の運搬に活躍した船は「ガイオーラ」である。 この船は150トンから600トンぐらいの大きさで、マキをたいて蒸気を起こし、船尾に取り付けた大きな水車を廻して動かす。第二次世界大戦前迄はこの型の船がアマゾン航路の主力であった。 二階建てになっており下はマキと労働者、二階が船客用である。 労働者だって客のはずだが、当時、船側は労働者を船客とみなさなかったから平気で使役した。その代り、運賃もほとんどタダ同然だった。
最近ブラジルの新聞などでよく話題になるのだが、アマゾンにおける年少者の売春問題はかなり深刻である。 プロの売春婦ならどこでもあることだし、とりたてていうほどのことではないが、アマチュアの少女売春の蔓延は重大な社会問題で、関係者の頭を悩ましている。しかもだんだんプロとアマの区別がなくなっていく傾向にある。
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